はじめに
このページでは,より良いオンライン授業を実施する上で参考になる情報をまとめています.
2020年度のオンライン授業を踏まえ,各種ツールのオンライン授業での活用方法や実践例などの情報を今後充実させていく予定です.このページは随時更新しますので,今後も継続的にご確認ください.
東京大学における各種情報システムの準備を行っていない方は,「東京大学における情報システムの準備について」を先にご覧ください.
本ポータルサイト (utelecon) では,よりよいオンラインでの授業・活動に役立つ情報をまとめています.「オンラインを活用するために」のページにさまざまな情報をまとめていますので,あわせてご覧ください.
授業形態の種類について
オンライン授業には,いくつかの形態があります.ここでは従来の対面型を含め4つに分類して紹介し,メディア授業(オンライン授業)としての要件の説明を行います.
対面型(完全対面型)
教室での対面のみで行う,従来の授業です.
オンライン同時配信の対面型(ハイブリッド型)
教室で対面授業をして,それをWeb会議システムなどで配信する形態です.ただし,一口にハイブリッド型の授業と言っても,教室で参加する人数とオンライン配信で参加する人数の比率によって実態が変わってくることに注意が必要です.また,教室で参加している学生とオンライン配信で参加している学生の両方が発言できるようにするため,どのような機材を利用するか検討した上で実施する必要があります(大学の機材の利用については,各部局にご確認ください).
この形態のメディア授業(オンライン授業)としての要件は,「同時かつ双方向に行われる」ことです.ZoomなどのWeb会議システムを利用する場合はもちろん,YouTubeなどの映像配信でコメントを受け付ける機能がある場合なども,要件を満たすと考えられます.
参考情報
- 2020/09/11 説明会:Aセメスターのオンライン・ハイブリッド授業に向けて ― Sセメスターの経験をふまえて
- 各種授業形態とポイント 資料,動画(限定公開)
- 教養学部 対面・オンライン混合授業講習会 資料(限定公開)
- オンライン授業情報交換会
オンライン型(同期オンライン型)
教員と学生全員がオンラインでリアルタイムにやり取りして授業を行う形態です.通常,ZoomなどのWeb会議システムが用いられます.
この形態のメディア授業(オンライン授業)としての要件は,「同時かつ双方向に行われる」ことです.ZoomなどのWeb会議システムを利用する場合はもちろん,YouTubeなどの映像配信でコメントを受け付ける機能がある場合なども,要件を満たすと考えられます.
参考情報
- オンライン基礎講座「授業のオンライン化を念頭に置いた、Zoom の使い方」
- 本学のグッドプラクティス
- オンライン授業情報交換会
- 第19回 グッドプラクティス事例(1) 大人数のオンライン授業におけるインタラクションの工夫
- 第20回 グッドプラクティス事例(2) 学生の声を活かした授業設計の工夫
- 第21回 グッドプラクティス事例(3) ライブ授業でのインタラクションを活発化する工夫
- 第24回 グッドプラクティス事例(4) TAを活かした質問の場づくり
- 第25回 グッドプラクティス事例(5) 多様なツールを用いて授業を活発化・円滑化する工夫
- 第26回 グッドプラクティス事例(6) 大人数のオンライン授業の実施とテストの工夫
- 第29回 グッドプラクティス事例(9) 実習形式の授業のオンライン化の工夫
- 第30回 VR(仮想現実)教室で行う授業の実践例
オンデマンド型(非同期オンライン型)
教員が用意した教材(動画あるいは資料など)を学生が個別に学習する形態です.東京大学ではこの形態の授業は少数となっています.
利用する教材としては,教員が作成した動画教材や,Web会議システムを用いてリアルタイムに行った授業の録画などのほか,OCW (Open Course Ware) やMOOC (Massive Open Online Course) などの既存の動画教材を用いることも考えられます.
この形態のメディア授業(オンライン授業)としての要件は,以下の2つです.
- 「毎回の授業の実施に当たって,指導補助者が教室等以外の場所において学生等に対面すること」又は「当該授業を行う教員若しくは指導補助者が当該授業の終了後すみやかにインターネットその他の適切な方法を利用すること」により,設問解答,添削指導,質疑応答等による十分な指導を併せ行うこと
- 当該授業に関する学生の意見の交換の機会が確保されていること
したがって,単に教材を掲載するのみでは授業としての要件を満たさず,別途Web掲示板(東京大学ではUTOLの「掲示板」機能が利用可)を用意して学生同士が意見交換できるよう促すとともに,適宜授業内容に関して課題提出・小テスト・問いかけ・質疑応答などを行うことが必要となります.
参考情報
その他の形態
- 1回の授業内でオンデマンドとリアルタイムを組み合わせる形態
- 例えば,合計90分間のオンデマンド教材を用いた学習と15分間のリアルタイムの授業を組み合わせることで,1回の授業とする方法が挙げられます.
- 実践例: オンライン授業のグッドプラクティス 米澤智洋 先生の授業: 内分泌病学Ⅰ: 農学部にて,オンデマンドとリアルタイムを組み合わせる授業をされています.
- ある回はオンデマンド,異なる回はリアルタイムなど,授業全体を通してオンデマンドとリアルタイムを組み合わせる形態
- 例えば,第3回と第5回をオンデマンドとして,それ以外の回をリアルタイム授業とする方法が挙げられます.
- 実践例: オンライン授業のグッドプラクティス 栗田佳代子 先生の授業: 「学びの場」づくり: 教育学部にて,2回分の授業をオンデマンドとして,11回分の授業をリアルタイムで実施されています.
制度上の取り扱いについて
制度上,上記の形態は「対面授業」と「遠隔授業」に分類されており,学部学生について「遠隔授業」により修得する単位数のうち卒業要件に含むことができるのは60単位までと定められているため,各授業科目がどちらに該当するかということが重要になります.
※2020年度・2021年度のオンライン授業については,特例的な措置として,60単位に算入しません.
- 制度上「対面授業」に分類されるのは,「(当該科目を履修している)全ての学生に対して,総授業時間数の半分以上について,対面で受講する機会を設けている」科目となります.
- 上記の「対面型(完全対面型)」のほか,「オンライン同時配信の対面型(ハイブリッド型)」も,制度上「対面授業」の取り扱いとなることが多いと考えられます.
- 制度上「遠隔授業」に分類されるのは,「対面授業」に該当しない科目となります.
- 上記の「オンライン型(同期オンライン型)」「オンデマンド型(非同期オンライン型)」は,制度上「遠隔授業」の取り扱いとなると考えられます.
- 1科目の授業内で,対面型(オンライン同時配信を含む)で行う回とオンライン型で行う回の両方がある場合など(「対面・オンライン併用型」)は,それぞれの形態ごとの授業時間数などに応じて,制度上「対面授業」「遠隔授業」のどちらになるかが判断されることになります.
各授業形態の制度上の取り扱いに関する詳細は,「対面とオンラインを併用した授業実施形態にかかる取扱いの判断基準等について」(教職員専用)をご参照ください.
具体的な実践に関する情報
- オンライン授業のグッドプラクティス:本学で行われたオンライン授業のグッドプラクティスを共有するためのページです.オンライン授業に関する学生アンケートにおいて,ポジティブなコメントが特に多く寄せられていた先生方へのインタビュー記事が掲載されています.
- オンライン授業情報交換会:オンライン授業の実践例(グッドプラクティス)や,各種ツールの使い方など,オンライン授業に役立つ情報を共有することを目的に,週1回で開催されているランチョンセミナーです.過去の動画や資料も公開していますので,ご活用ください.
- 本学教職員から共有いただいた資料:本学のみなさまからご共有いただいた資料を紹介します.ご共有いただいた先生方,誠にありがとうございます. 新たに資料をご共有いただける場合はリンク先のご案内をご覧ください.
オンライン授業に対するアンケート結果
- オンライン授業に関するアンケート:2020年度の授業は,新型コロナウイルスの感染拡⼤防止のため,そのほぼ全てがオンラインでの開講となりました.東京大学では,オンライン教育に対する評価や感想などの回答を教員・学生の双方から募集し,オンライン授業の改善に役立てています.