学校・その他教育機関における著作権の取り扱い

この記事の概要

授業資料を作成する前に,学校・その他の教育機関では著作物がどのように取り扱われるべきなのか,最近よく耳にするSARTRASとは何なのか,など著作権についての知識を深めたい方のための記事一覧です.

著作権法に関する基本

そもそも一般的に著作権とは何かを説明するページです.著作物とは何か,著作者とは誰かなど,基本的な事項を紹介します.

学校は著作権の例外? 改正著作権法35条

学校,その他の教育機関においては,著作権第35条により,一定の条件下で著作者への許可なく著作物の利用が認められています.どのような場合に著作物の複製やインターネットでの送信等が認められるのか,詳しく説明しています.

著作権を侵害しない授業資料作り

授業では,図版や写真の利用,論文や教科書の抜粋など,他人の素材を利用することがしばしば生じます.このうち,自由に利用可能な素材というものがあります.

下記4つの場合において,素材を自由に利用することが可能です.

1.著作権に該当しない素材である場合

アイデアやありふれた表現などは著作物ではありません.また,事実の伝達にすぎない雑報や時事の報道も著作物に該当しません(10条2項).

さらに,憲法その他の法令,裁判所の判決などは,著作者の権利の目的となることができません(13条).このような素材は自由に利用することができます.

2.著作権存続期間を満了した著作物である場合

著作権の存続期間は,著作物の創作の時に始まり,原則死後70年までの間,存続します(51条).この権利存続期間を満了した作品は,いわゆる「パブリックドメイン」に入り,自由に利用することができます.

3.著作者が著作物の自由利用や,一定の利用方針について明示している著作物である場合

著作者から,著作物の自由利用や一定の利用方針について意思表示がなされている場合があります.著作権を保持したまま特定の条件の範囲内で素材を流通させる意思表示のツールが,クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CCライセンス)です.

4.著作物で許諾を必要としないような使い方をする場合

著作権存続期間内の著作物を利用する場合は原則権利者の許諾が必要です.

しかし,たとえば他人の著作物を引用して論文やレポートを執筆する場合など,特定の利用目的や利用態様の場合,権利者の許諾がなくても自由に著作物を利用できることとし,その要件を個別の利用態様に応じて30条以下で列挙しています.要件を満たせば許諾なく利用可能となり,逆に満たさなければ原則に戻って許諾が必要になります.

おまけの資料集

授業目的公衆送信補償金制度およびSARTRAS設立の経緯と意義

あらゆる種類の著作物利用についてワンストップの指定管理団体SARTRASが権利の一括処理を担うことで,教育機関は簡便な手続きで著作物利用できるようになりました.

パブリックドメインおよびクリエイティブ・コモンズ・ライセンスで使用可能な素材まとめサイト集

パブリックドメインやクリエイティブ・コモンズ・ライセンスが付与されている素材を配布する様々なウェブサイトへのリンクを紹介しています.

SARTRAS加盟団体の一覧

著作物の使用の可否,使用方法詳細を確かめるには,版元の利用規約を参照することをおすすめいたします.それでもなお,使用にあたり自信がない場合は,直接お問い合わせをしてみましょう.


執筆: オンライン教育支援サポーター OER・著作権グループ
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