東京大学では,GoogleやMicrosoftなどが提供するクラウドサービスを組織契約しており,構成員が利用できるようにしています.しかし,特にクラウドに保存できる容量に着目したとき,無制限に利用できるものは,現在ほとんどありません.そのため,利用者の皆さんに一定の制限の中で利用いただく必要があったり,あるいは制限を超えて利用するために費用の分担をお願いしたりしています.
この記事では,その制限内容や,制限を超えて利用するための条件・方法等に関して,まとめて説明します.大まかにまとめると,次の通りです.
クラウドストレージの名称 | 利用対象者 | 保存容量 | 制限を超えて利用する方法 | 備考 |
---|---|---|---|---|
ECCSクラウドメール(Google Workspace) | 学生・教職員 | ひとりあたり125GBまで | 大学の予算を用いて利用負担金を支払う | Gmail,Googleドライブ,Googleフォトの合計 |
OneDrive | 学生・教職員 | ひとりあたり50GBまで | 大学の予算を用いて利用負担金を支払う | 職員メールは含まない |
Teamsチームフォルダ | 教職員 | 組織あたり100GBまで | 大学の予算を用いて利用負担金を支払う |
保存容量の考え方
「持ち主」は個人かグループか
クラウドストレージの利用条件等を比較検討するにあたり,はじめに把握しておいていただきたい考え方があります.それは,ファイル・フォルダのいわば「持ち主」が個人となるかグループとなるかが,クラウドストレージにより異なるということです.通常,クラウドストレージ上のファイル・フォルダは,誰か特定の個人のアカウントが「持ち主」となるため,その個人が共有メンバーから抜ける(卒業・退職や異動など)場合,事前にファイル・フォルダを他の人に譲渡しておくなどの作業が必要となります.こうした不合理を解消するため,複数人のグループが共同で「持ち主」となる機能が提供されている場合があります.Googleドライブの「共有ドライブ」や,Teamsチームフォルダでは,このような機能を利用できます.したがって,メンバーに出入りのあるグループや組織において,継続的にファイルを共有したい場合は,Googleドライブの「共有ドライブ」や,Teamsチームフォルダを活用することをおすすめします.こうした使い分けがあることを踏まえて,この先の説明を読んでください.
保存容量の計算の仕方
Google Workspaceでは,保存容量は,Gmail,Googleドライブ,Googleフォトの合計で考えます.これらのうちGoogleドライブには,個人が持ち主となる「マイドライブ」と,グループが持ち主となる「共有ドライブ」とがありますが,保存容量に算入されるのは原則としてマイドライブの部分のみです(マイドライブに保存されていて,他の方に共有しているファイル・フォルダ(「共有アイテム」)も含みます).ただし,共有ドライブの「代表者」となっている方だけは,その共有ドライブの保存容量も計算に含めることになります.共有ドライブの代表者になっているかどうかは,「ECCSストレージ管理システム」の「共有ドライブ管理」画面で確認できます.保存容量の計算にどのように含めるかについて,詳しくは「ECCSストレージ管理システムについて」のページを参照してください.
一方,MicrosoftによるサービスであるOneDrive,職員メール(教職員のみ利用可能) ,Teamsチームフォルダ(教職員のみ利用可能)では,それぞれ別個に保存容量を計算します.
なお,いずれのストレージに関しても,「ごみ箱」に入っているファイルも保存容量の計算に含まれます.また,OneDriveではバージョン管理の機能が有効になっており,過去のバージョンも保存容量の計算に含まれます.このため,サイズの大きいファイルに関しては過去の不要なバージョンを削除することで,空き容量を増やせます(詳しくは「OneDriveでサイズの大きいファイルを表示させる,バージョン履歴を削除する方法」の動画(UTokyo Accountでのサインインが必要です) を参照してください).
容量制限の内容と保存容量の拡張方法
容量制限の内容や,制限を超えて利用するための手続きは,次の通りです.
なお,これらの制限・手続きは,各クラウドサービスの提供事業者との組織契約の内容に基づいて,構成員の皆さんに公平かつ効果的に利用していただけるように,運用ルールとして定めているものです.契約内容の変更によって今後大きく制限・手続きの内容を変えざるを得ない可能性もあるため,注意してください.
ECCSクラウドメール(Google Workspace)
ECCSクラウドメール(Google Workspace)は,学生・教職員ひとりにつき125GBまで,追加の費用負担なく利用できます.もし共有ドライブの代表者となる場合は,この保存容量の中で各共有ドライブの大きさを割り当てることにより,すべての合計を125GBに収めていただきます.もし割り当てられた容量を超えると,ファイルの追加や編集ができなくなります.
125GBを超えて利用するには,大学の予算を用いて「利用負担金」を支払う必要があります.ただし,大学の予算を持たない構成員であっても,予算を持つ教職員から代わりに利用負担金を負担してもらうことも手続きとしては可能です.保存容量の拡張に関して詳しくは,「ECCSストレージ管理システムについて」のページを参照してください.
なお,共有ドライブ以外の合計に関して,実際の利用状況は,Googleの「保存容量」の画面で確認できます.共有ドライブの実際の利用状況は,「ECCSストレージ管理システム」の「共有ドライブ管理」画面で確認できます.
OneDrive
OneDriveは,学生・教職員ひとりにつき50GBまで,追加の費用負担なく利用できます.50GBを超えて利用するには,大学の予算を用いて「利用料」を支払う必要があります.ただし,大学の予算を持たない構成員であっても,予算を持つ教職員から代わりに利用料を負担してもらうことも手続きとしては可能です.保存容量の拡張に関して詳しくは,「OneDriveのストレージ容量拡張申請について」のページ(教職員のみ閲覧可能)を参照してください.
なお,実際の利用状況は,ブラウザでOneDriveにアクセスすると,画面左下の「ストレージ」欄で確認できます.ここで「使用済み容量」ボタンを押すと,サイズの大きいファイルを確認することもできます.
Teamsチームフォルダ
Teamsチームフォルダは,組織あたり100GBまで,追加の費用負担なく利用できます.100GBを超えて利用するには,大学の予算を用いて「負担金」を支払う必要があります(同一の組織で複数のTeamsチームを利用している場合には、二つ目以降のTeamsチームに関して負担金の負担を求める場合があります).保存容量の拡張に関して詳しくは,「Teamsチームフォルダ ストレージ容量変更アプリ」のページ(教職員のみ閲覧可能)を参照してください.
実際の利用状況は,ブラウザで確認できます.詳しい手順については,動画(教職員のみ閲覧可能)を確認してください.
その他のクラウドサービス等
職員メール
職員メール(教職員のみ利用可能)では,教職員ひとりにつき50GBまで,データを保存できます.容量拡張の方法は提供していません.
実際の利用状況は,ブラウザで確認画面にアクセスすると確認できます.確認画面は次のように操作しても表示できます.
- ブラウザでOutlookにアクセスしてください.
- 歯車マークから,「設定」→「全般」→「ストレージ」の順に開いてください.
その他の選択肢
研究用のデータ公開では,データ活用社会創成プラットフォームmdx,非公開の計算結果等の置き場としては,スーパーコンピューティングシステムなどの利用も検討してください.また,個別にDropboxやBox等の商用クラウドストレージを契約することも考えられます.