教育用計算機システム(ECCS2026)について

現在稼働中の教育用計算機システム ECCS2021 は,2026年2月末をもって運用を終了します.次期システム ECCS2026 の導入に向けて選定作業を進めてきましたが,2025年9月8日に実施された入札の結果,富士通Japan株式会社が落札しました.

更新作業は2026年2月から4月にかけておこないます.このページでは,次期システム(ECCS2026)の構成の変更内容や,移行スケジュールについてお伝えします.内容は随時更新します.

ECCS2021との相違点

BYOD化の推進と端末のChromeOS化,端末数の大幅減

これまでは演習室でおこなう授業で,受講者全員がECCSの端末上で演習等をおこなうことを前提に設計してきましたが,ECCS2026では以下のような方針としました.

  • 受講者の大多数が,macOSあるいはWindowsのPCを持ち込んで,演習室の机に設置された電源,ディスプレイ等を接続して利用.ネットワークはUTokyo WiFi を利用.
  • 一部の受講者は,演習室の一部(全体の半分以下)の席に設置された ChromeOS 端末を利用.

背景としては,新型コロナ感染症対応以前も,全国の大学で共用端末の廃止,学生のPC必携化が進んでいたのに加えて,東京大学は2022年度入学生から個人所有のモバイルPCを大学の授業等で利用するBYOD(Bring Your Own Device:PCの必携化)を実施(東京大学のBYOD方針)しているということがあります.東京大学のBYOD方針は現在「WindowsまたはmacOS, Intel Core i5、 AMD Ryzen7、 Qualcomm Snapdragon X 相当または Apple M3 相当以上,メモリ 16GB以上」となっています.2026年度は,大多数の学生が BYOD 移行後の入学となっているということがあります.

このため,演習室や分散端末室では

  • すべての席に持ち込みPC接続用に電源,ディスプレイ,キーボード,マウス,Webカメラおよび,SD, マイクロSDカードリーダー/ライター内蔵のUSB-Cアダプタを設置.
  • 一部の席にChromeOS端末が設置

という現行のECCSとは異なる形態を想定しています.

従来のECCSのECCS 利用権 という制度を廃して,端末の利用には ECCSクラウドメール(Google Workspace) のアカウント,VDI 環境の利用には UTokyo Account を使います.

Windows専用アプリのクラウドでの提供

Office等の基本的なソフトウェアを使う授業はクラウド上での実行を推奨します.ただし,Windows上でしか実行できないアプリケーションを使う授業のために,Windows上のクラウド上の仮想デスクトップ(VDI)環境を同時接続200人分用意します.

  • 授業でWindows専用のアプリケーションを使うには,持ち込みPCにもインストール可能なライセンスのあるアプリケーションを推奨します.
  • 固定プロファイルであり,アプリケーションの設定等は,ログインするたびに設定する必要があります.また,ファイル等はGoogle Drive, OneDriveなどのクラウドストレージと組合せて使うことを想定しています.
  • CAD等はBYOD環境の方が快適だと想定されます.

複合機,ファイル転送サーバ, sshサーバ,リモートアクセス環境の廃止

利用が減っている付加的な環境は廃止となります.

教材提示装置の更新

演習室のプロジェクタ等の大部分は2016年に導入したものであり,今回のシステム更新に合わせて設備を更新します.持ち込みPCのインタフェースとしてはUSB-Cポートを介しての接続のみとするほか,書画カメラをChromeOS端末あるいは持ち込みPC経由で使うのが原則になります.

構成

PC接続機器(1066セット)

持ち込みPCあるいは,ユーザ利用端末のUSB-CポートにUSB-CハブのPC接続用コネクタを挿すことにより,各種の機器が利用可能になります.USB-C充電が可能な持ち込みPCでは充電も可能です(最大出力85W).

  • USB-Cハブ: エレコム DST-100BPBK
    • SDカード,microSDカードスロット付き
    • USBメモリ等のユーザ持ち込み周辺機器を接続可能な空きポートがUSB-A, USB-C各1個
  • ディスプレイ: アイ・オー・データ 27インチディスプレイLCD-A271D(664台), 24インチディスプレイLCD-A241D(392台)
  • ディスプレイスタンド: エレコム DPA-VL01BK
    • 14インチ程度の持ち込みPCのセカンドディスプレイとして上下に利用して使えるよう,ディスプレイは上下に動かせるディスプレイスタンドと組み合わせて設置します.
  • キーボード: エレコム TK-WS01UMKBK
    • 日本語配列フルキーボード,有線接続
  • マウス: エレコム M-S2ULBK/RS
    • 有線3ボタンホイールマウス
  • カメラ: logicool C922n
    • オートフォーカス,ステレオマイク
    • ディスプレイ上面に設置

ユーザ利用端末(738台)

ChromeOSを搭載した端末です.Webブラウザ,Android用ソフトウェアの一部が実行可能な他,ローカルでLinux環境も実行可能です.

  • 端末: Acer Chromebook Plus Spin 514, CP514-4HN
  • CPU: Intel core 5 120U
  • メモリ: 16GB
  • ストレージ: 128GB SSD
  • 有線LAN: サンワサプライ USB-3TCH33BK
  • Androidアプリケーション: 一部のAndroidアプリケーションを利用可能にする予定です.
  • Linux環境: Linux環境がローカルの仮想マシン上で利用可能です.ECCSクラウドメールのアカウントのGoogle Driveをマウントして使うことができます.仮想マシンの管理者権限を持つので,好きなLinuxアプリケーションをインストール可能ですが,仮想マシンは一定期間で消去されるので,環境を最初からインストールするスクリプト等を作成する必要があります.

VDI環境

Windows 365 Frontline sharedモードというクラウド上で動く VDI(Virtual Desktop Infrastructure, デスクトップ仮想化)環境です.ユーザ利用端末以外にインターネット上のユーザのPCから利用可能です.

  • Windows 365 Frontline Shared 同時200ユーザ
    • CPU: 2vCPU
    • メモリ: 8GB
    • ストレージ: 256GB
    • ユーザ固有の設定,ホームディレクトリ等はなし.
  • Windowsでないと動かないアプリケーションをユーザ利用端末やWindows以外の個人PCから接続して使うことを想定
    • Windows PCから接続するメリットは特になし,最近の多くのWindows PCはCPUもメモリも有利 授業で使われることを想定した無料アプリケーションや,東大にサイトライセンスされたアプリケーションなどをインストールしたイメージを1種類だけ準備(サイトライセンスされたアプリケーションの利用時には個人のアカウントで認証予定)
    • 授業,自習用の予約システムの運用法について今後検討

教材提示装置

現在教材提示装置が設置されている演習室設備の置き換えとなります.持ち込みPCから出力する際は,教卓のPC接続機器中のUSB-Cハブに接続することができますが,ユーザ利用端末をUSB-Cハブに接続したままで,持ち込みPCのUSB-Cポートからの映像出力をプロジェクタ等に出すことも可能になるような切替器を設置予定です.

  • プロジェクタ: PT-LMZ460シリーズ
    • 現在の天井吊りプロジェクタの置き換え
  • 中間モニタ: EIZO EV2130
    • 駒場情報教育棟1,2,3の中間モニタの置き換え
  • 書画カメラ: ELMO L-12G
    • 教卓のPC接続機器中のUSB-Cハブに接続して,ユーザ利用端末あるいは持ち込みPCのWebカメラとして利用

現システムからの移行スケジュール

  • 2026年2月から順次現端末の撤去
  • 2026年3月1日に試験運用開始
  • 2026年4月に本運用開始

配置

地区建物部屋PC接続機器(27インチモニタ)PC接続機器(24インチモニタ)ユーザ利用端末
駒場情報教育棟2階大演習室129130130
駒場情報教育棟3階大演習室227120120
駒場情報教育棟2階大演習室310870
駒場情報教育棟4階中演習室16250
駒場情報教育棟4階中演習室26220
駒場情報教育棟3階中演習室3181515
駒場情報教育棟2階小演習室12520
駒場情報教育棟3階小演習室22520
駒場情報教育棟3階小演習室32828
駒場情報教育棟3階小演習室42110
駒場情報教育棟1階自習室6320
駒場駒場図書館メディアパーク2020
本郷情報基盤センター1階大演習室16060
本郷情報基盤センター1階大演習室23030
本郷経済学部1階101285
本郷経済学部4階4073125
本郷農学部7号館B棟1階1332825
本郷農学生命科学図書館3階PC端末室2163
本郷総合図書館2階ECCSルーム1818
本郷法文1号館1階PCルーム33
本郷法文2号館1階文学部学生ホール33
本郷工学部6号館2階200104
本郷理学部4号館2階1215166
本郷薬学図書館4階情報処理室195
本郷福武ホール地下1階実習室2110
本郷医学図書館1階閲覧室53
本郷教育学部3階354A33
柏図書館1階ラーニングサポートサービス22

(注)上記は一般ユーザ向けに提供する端末の台数のみなので,合計台数は全台数とは一致していません.

FAQ

Q. 自分のPCはUSB-Cポートがないのですが,PC接続機器として用意されたディスプレイ,キーボード等を自分のPCのUSB-AやHDMIポートに繋ぎ変えて接続して使うことはできないのでしょうか?

USB-Cアダプタを持ち込みPCのUSB-Cポートに接続する以外の接続方法を許可することは考えていません.USB-CポートがないPCの大部分が買い替え時期を迎えていると判断して,この仕様に決めました.

Q. USB-Cアダプタの型番をみると,有線LANのポートがあるようですが,持ち込みPCで有線LANは使えますか?

ユーザ利用端末は有線LANでネットワーク接続しますが,持ち込みPC用の有線LAN環境は用意しません.すべての設置場所でUTokyo WiFi が利用可能なので無線LAN環境を使ってください.

Q. 端末を利用しながらスマホの充電をしたいのですが,自分でケーブルを用意しなくても充電はできますか?

ケーブルを持ってくればUSB-Cハブの空きポートを使ってスマホの充電はできますが,充電のためのケーブルは用意していません.機器に接続しているケーブルを繋ぎ変えてスマホに接続することは許可しない予定です.USB-Cアダプタに持ち込みPCやユーザ利用端末を接続しない場合は,USB-CアダプタのPC接続ポートにスマホを接続して充電できる可能性はあります.

Q. ユーザ利用端末および持ち込みPCの多くはカメラもキーボードもポインティングデバイスもついているので,PC接続機器としてはディスプレイだけで良いのでは?

ユーザ利用端末や持ち込みPCをクラムシェルモード(ノートPCを閉じた状態でデスクトップPCのように利用する)で利用するために用意しています.

Q. 従来の公聴会等では,Chromebox (デスクトップ型のChromeOSマシン)が入るという説明だったのですが,Chromebook なのですか?

Chromeboxを想定した仕様書を作成しましたが,仕様を満たすChromebookが入ることになりました.クラムシェルモードでの利用を標準とする予定ですが,他のモードでの利用を禁止する予定はありません.

Q. 現在,ECCSのホームディレクトリにいろいろデータを入れているのですが,ECCS2026にはホームディレクトリがないようです.どこに引き継がれるのでしょうか?

ECCS2026の構成にはファイルサーバが入っていません.個人単位でGoogle Drive等にコピーしてください.

Q. 複合機がなくなるようですが,学内で印刷可能な場所はありますか?

学部,研究科単位で学生,教職員用のプリンタを提供している部局がありますが,生協もコピー機でUSBプリントの機能を利用可能にしている場所もあるようです.

主な更新履歴

このページの主な更新履歴はこちら
  • 2025-9-12: 初回公開
  • 2025-10-1: 情報教育棟小演習室2-4が「2階」となっていたので「3階」に訂正,漢字の誤りを訂正(「指す」->「挿す」)
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