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生成AIに関する取り組みの一環として行っているMicrosoftのMicrosoft Copilot(旧「Bing Chat Enterprise」)の提供について,このたび全構成員が利用できるようになりましたので,お知らせします.
「Microsoft Copilot」はMicrosoftが提供するクラウドサービスの一つで,OpenAI社のGPT-4相当の生成AIチャットにインターネット上の検索(Bing検索)が組み合わされたものです.これまでもUTokyo Microsoft Licenseの契約の下で一部の方が利用できるよう設定を行っていましたが,今回Microsoftのサービス変更により利用対象者が全構成員に拡大されました.なお,大学の契約の下で利用できるのは「商用データ保護を備えたMicrosoft Copilot」というサービスで,Microsoftによれば,入力・出力データがMicrosoftのシステムに蓄積・保存されることはなく,いわゆるモデルの学習に利用されることもありません.
東京大学では,生成AIツールの利用を一律に禁止することはせず,教育・研究等における利用の可能性を積極的に探るとともに,活用上の実践的な注意を発信していく方針を取っています.本件はその取り組みの一環として行っているものです.
詳細は以下の通りです.
利用対象者
UTokyo Accountを持つ全構成員
※これまでも一部の方(常勤教職員)は利用可能でしたが,このたび学生を含めてUTokyo Accountを持つすべての構成員の方が利用可能となりました.
利用手順
- https://copilot.microsoft.com/ にアクセスしてください.
- 右上の「ログイン」ボタンから「職場または学校アカウントでサインイン」を押し,UTokyo Accountでサインインしてください(既にMicrosoftのシステムにUTokyo Accountでサインインしている場合でも,あらためてログイン操作が必要です).もし中央に「サインイン」と書かれたボタンが表示された場合には,そのボタンを押し,UTokyo Accountでサインインしてください.
- Microsoft Copilot の画面が開きます.右上に緑色の盾のマークが表示され,そのマークを選択したときに「商用データ保護 このチャットに適用されます。 個人データと組織データを共有する場合は慎重に行ってください。」と表示されれば,大学の契約の下での「商用データ保護を備えたMicrosoft Copilot」を利用している状態です.
※Microsoft Copilotには個人向けのものもあります.右上に緑色の盾のマークが表示されない場合は,大学の契約の下での「商用データ保護を備えたMicrosoft Copilot」ではなく,個人向けのMicrosoft Copilotを利用している状態ですので,十分注意してください.
※上記の手順が上手くいかない場合,最初からもう1度やり直してみると解消することがあるようです.お試しください.
利用可能な期間
当面の間は利用が可能な設定を維持する方向で考えています.ただし,Microsoft Copilot 自体のサービス内容が変更された場合,それに沿って利用可能な内容も変わることになり,状況によっては継続しての利用ができなくなる可能性もありますので,ご了承ください.
費用負担
既存の契約の下で提供されるため,新たな費用負担は発生しません.
利用にあたっての注意事項
まず,生成AIの利用についての一般的な注意事項について,以下を参照してください.
- 生成系AI(ChatGPT, BingAI, Bard, Midjourney, Stable Diffusion等)について(2023年4月3日)
- AIツールの授業における利用について(2023年4月28日付/2023年5月16日掲載)
- 東京大学の学生の皆さんへ:AIツールの授業における利用について(2023年5月26日付/2023年5月29日掲載)
特に,取り扱いに注意を要する情報(試験やレポートの問題,業務で知り得た機密情報,発表・公開すべきでない研究内容,その他関係者以外が知りえない情報)を入力しての利用は避けてください.Microsoftの技術情報によれば,Microsoft Copilotで利用した情報はMicrosoftのシステムに蓄積・保存されることはなく,いわゆるモデルの学習に利用されることはないとされていますが,Microsoftへの送信自体は行われていることに注意する必要があります.情報セキュリティポータルサイトの情報も参照してください.
生成AIを利用してはいけない場面や,利用の条件が決まっている場面もあります.特に授業においては,生成AIの利用の可否について,授業の特性に応じて担当教員が判断することになっています.所属学科や専攻および各授業の担当教員の指示に従い,認められていない場合には利用しないでください.論文誌への投稿についても,生成AIの利用が禁止されている場合や,制限・条件が付けられている場合があるため,よく確認するようにしてください.
加えて,Microsoft Copilotは,生成AIチャットとインターネット上の検索と組み合わせたものであり,出力とともに関連するWebページの情報が表示される場合があります.しかし,出力の文章そのものがそのWebページの情報を正しく反映したものであるという保証はなく,正確性について注意が必要なことは変わらないことに気をつけてください.また逆に,Webページの内容をそのまま抜き出した文章が出力されていた場合,それをそのまま他所で利用すると著作権の侵害となる可能性が高いです.生成AIの出力を利用した結果についての責任はあくまでも利用者の側にあることを認識し,十分に注意して利用してください.
その他
本件とは別途実施してきた「生成AIチャットサービスの実験的な提供」については,運用負担や費用負担などの観点で課題があることから,本Microsoft Copilotサービスの開始に伴い,提供を継続するかどうか検討します.Microsoft Copilotは文字数(トークン数)の制限も少なく利用しやすくなっていますので,今後はこちらのご利用をおすすめします.
情報共有・問い合わせ先
本サービスを含む生成AIチャットに関する情報共有のため,UTokyo Slack内に設けられている「UTokyo ARC」ワークスペースに専用のチャンネル #arc-aichat-users
を作成しています.「UTokyo Slackに自由に参加できるワークスペースの中から選んで参加する」ページの手順に従って自身で参加してください.
本サービスはMicrosoftによって提供されているものであるため,機能の詳細や不具合などについての問い合わせには回答できません.上記の情報共有の場へ投稿してください.