Googleカレンダーを用いたコラボレーション

はじめに

Google カレンダーは,Google社が提供するスケジュール管理ツールです.予定の作成や共有,リマインダーの設定,タスクの管理などをオンラインで行うことができます.Googleカレンダーは,複数のユーザーで予定やカレンダーを共有するような場合に,特にその真価を発揮します.例えば,予定の共有機能やカレンダーの公開設定を活用することで,他のユーザーと予定を簡単に共有したり,チーム全体のスケジュールを一目で把握したりできます.この記事では,複数名でGoogleカレンダーを利用する場合の,効果的な活用方法について,具体的に紹介します.

東京大学のアカウントでの利用

東京大学では,Google社の「Google Workspace」を「ECCSクラウドメール」として提供しています.これにはGoogleカレンダーも含まれているため,東京大学の構成員はECCSクラウドメールのアカウントを使ってGoogleカレンダーを利用できます.ECCSクラウドメールを使うと,他のECCSクラウドメールユーザーに対してのみ公開するといった学内限定の設定ができるので,情報の取り扱いの観点から有効です.

カレンダーを共有・公開する使い方

使い方の概要

Googleカレンダーでは,自分のカレンダーを他のユーザーと共有することで,予定をリアルタイムで共有できます.また,そのカレンダーを組織内のユーザーが自由に閲覧できるよう公開設定にできます(東京大学の場合,東京大学全体が一つの組織となります).これらの使い方を活用することで,Googleカレンダーのユーザー同士でのスケジュール把握や管理がスムーズになります.

Googleカレンダーでは,予定を「カレンダー」というカテゴリ単位で管理する仕組みが用意されています.たとえば,「仕事用」「プライベート用」など,目的に応じて複数のカレンダーを作成し振り分けることで,スケジュールがより整理しやすくなります.この「カレンダー」単位で共有や公開の設定を行うことにより,必要な情報だけを適切な相手と共有できます.

なお,カレンダーはいくつでも作成できます.初期状態では,「●●(利用者の表示名)のカレンダー」という名前のカレンダーが一つだけある状態ですが,自由にカレンダーを追加・削除できます.カレンダーの作成方法はGoogleの案内を参照してください.

カレンダーを共有するとできること

特定のカレンダーを他のユーザーに共有すると,そのユーザーはそのカレンダー内の予定を閲覧または編集できるようになります.共有の際に設定できる権限の範囲には次の種類があります.

  • 予定の編集と,他のユーザーへの共有設定を変更可能な権限
  • 予定の追加や変更が可能な権限
  • 予定のタイトルや説明,場所などが閲覧可能な権限
  • 予定の日時だけが閲覧可能な権限

適切な権限を設定することで,共有したい相手に必要な範囲だけのアクセスを許可できます.

カレンダーを公開するとできること

カレンダーが公開されていると,不特定のユーザーがそのカレンダーの予定にアクセスできます.しかし,公開にはいくつかの条件や制限があります.

第一に,公開されたカレンダーにアクセスするには,アクセスするユーザーはそのカレンダーの「カレンダーID」を知っている必要があります.Googleカレンダーには,「●●(利用者の表示名)のカレンダー」という名前のデフォルトのカレンダーと,自身で自由に作成できるカレンダーがあります.デフォルトのカレンダーは,GoogleアカウントのメールアドレスがそのままカレンダーIDとなっているため,このカレンダーを公開すると,メールアドレスを知っている誰でもそのカレンダーにアクセスできます.一方,自分で作成したカレンダーのカレンダーIDは,ランダムな英数字で構成されているため,ただ公開しても他のユーザーに見つけられる可能性は低くなります.

第二に,情報の範囲を絞って公開できます.Googleカレンダーでは,予定の詳細情報を非表示にして日時だけを共有する設定が可能です.これにより,カレンダーを公開してもプライバシーを保護できます.

第三に,対象者の範囲を絞って公開することができます.Google アカウントを持つ全ユーザーに公開する設定だけでなく,所属する組織内(東京大学の場合ECCSクラウドメールを利用しているユーザー)にのみ公開範囲を制限できます.

利用手順

カレンダーを共有するとき

  1. パソコンからGoogleカレンダーにアクセスします.
  2. 画面左側のマイカレンダーから共有したいカレンダーを選択し,︙(縦三点リーダー)をクリックして「設定と共有」を選択します.
  3. 「共有する相手」の項目から共有する相手を追加できます.「ユーザーやグループを追加」から,相手のメールアドレスを追加します.
  4. 共有する相手に付与する権限を選択します.
    • 「変更および共有の管理権限」:予定の編集と,他のユーザーへの共有設定を変更可能
    • 「予定の変更」:予定の追加や変更が可能
    • 「予定の表示(すべての予定の詳細)」:予定のタイトルや説明,場所などが閲覧可能
    • 「予定の表示(時間枠のみ,詳細は非表示)」:予定の日時だけが閲覧可能
  5. 権限を設定したら「送信」を押して完了します.

カレンダーを公開するとき

  1. パソコンからGoogleカレンダーにアクセスします.
  2. 画面左側の「マイカレンダー」から共有したいカレンダーを選び︙(縦三点リーダー)から「設定と共有」を選択します.
  3. 「予定のアクセス権限」の項目で公開設定を行います.
    • 「一般公開して誰でも利用できるようにする」:Googleアカウントを持つ全てのユーザーに公開
    • 「東京大学ECCSクラウドメール で利用できるようにする」:ECCSクラウドメールのユーザーにのみ公開

公開されているカレンダーを閲覧するとき

  1. パソコンからGoogleカレンダーにアクセスします.
  2. 画面左側の「ユーザーを検索」でカレンダーIDを入力します.
  3. カレンダーが表示され,公開されている予定を確認します.

予定にゲストを招待する使い方

使い方の概要

Googleカレンダーでは,予定に「ゲストを追加」することで,特定の相手を簡単に会議やイベントに招待できます.招待されたゲストは,予定の日時やタイトル,場所などの詳細情報を知ることができ,招待を受けるかどうかを選択できます.相手もGoogleカレンダーを利用している場合は,受諾した予定がそのままカレンダーに追加されるため,効率的に予定を共有できます.この使い方は,参加者が決まっている会議やイベントを開催する際に便利です.たとえば,会議やイベントのスケジュールを迅速に通知し,参加の意思を確認できます.

利用手順

  1. パソコンからGoogleカレンダーにアクセスします.
  2. 予定の作成または編集を行います.
    • 新しい予定を作成する場合:カレンダー画面で該当する日時を押し,「予定を作成」を選択します.
    • 既存の予定を編集する場合:編集したい予定をクリックして「編集」オプションを選択します.
  3. 「ゲストを追加」の欄に招待したい相手のメールアドレスを入力します.複数のゲストを追加する場合,それぞれのアドレスを順番に入力します.
  4. 「ゲストの権限」から,ゲストに付与する権限を選択します.以下のオプションがあります.
    • 「予定を変更する」:ゲストが予定を変更することができます.
    • 「他のユーザーを招待する」:ゲストがさらに他のゲストを招待できます.
    • 「ゲストリストを表示する」:ゲストが他のゲストの一覧を確認できます.
  5. 設定が完了したら「保存」を押します.保存後,招待メールを送信するかどうか尋ねられるので,招待を明確に通知したい場合は「送信」を選択します.

ゲストは,Googleカレンダーを利用している場合,カレンダーに薄い文字でその予定が表示されます.また,招待メールを受けとることもあるため,カレンダーまたはメール上で,参加の意思表示ができます.ゲストは,「参加」「いいえ」「未定」のいずれかを選択を行うほか,「新しい時間を提案」から他の時間のリクエストや,「メモを追加」でコメントもできます.

その他の便利な機能

ゲストを招待する使い方では以下の機能も利用できます.

  • Google Meetの自動生成:ゲストを招待すると,Google Meetのビデオ会議リンクが自動作成されます.なお,これを削除したり別の会議リンクに置き換えたりすることも可能です.
  • おすすめの時間の提示:予定の作成時にGoogleカレンダーが参加者のスケジュールを確認し,最適な時間を提案してくれます.ただし,ゲストがGoogleカレンダーを利用していてレンダーを公開している場合に限り利用できます.
  • 任意参加者の設定:予定に追加した参加者を「任意参加者」として設定できます.たとえば,重要度が低い参加者には任意設定を適用し,参加の必要度を提示できます.
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